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よのなかは。

映画・本の感想。観て/読んで心打たれた作品を紹介しています。

『シャーロック・ホームズの失われた事件簿』感想

 ホームズのパスティーシュ。著者グリーンウォルド、訳者日暮雅通

2004年、原書房

画像を貼れるみたいなので・・・貼ってみます!

シャーロック・ホームズの失われた事件簿

雰囲気のある表紙ですね。ちょっと古くさい感じがツボです。

 

このパスティーシュは、短編集となっています。

内容は、聖典寄りです。ぶっとんだパスティーシュが苦手な人にもおすすめです。

時代設定は聖典と同じヴィクトリア朝、ホームズとワトスンも聖典と比較して違和感なし。(強いて言うなら、ホームズが聖典より優しい気がします)

事件・推理の方も安心品質の作品が多いです。

 

この短編集は、1940年代にアメリカで放送されたラジオドラマから13編選んで小説化したものだそうです。

著者のグリーンウォルド氏が、子どもの頃大好きだったラジオドラマを(デニス・グリーンとアンソニー・バーチャー脚本)を大人になって小説化しました。それを日暮氏が翻訳、おかげで昔のラジオドラマを「読める」わけです。ありがたーい。

 

この本の元になったラジオドラマでは、アメリカ版でホームズとワトスンを演じたお二人(ベイジル・ラスボーンとナイジェル・ブルース)が同じくホームズ、ワトソン役を演じているそうです。アメリカ版、映画は素晴らしく面白かったので(アメリカ版のホームズ映画は、今のBBC『SHERLOCK』の40年代バージョンという感じです。「当時の」現代版で、第二次大戦に二人が関わる話もあります)、きっとラジオドラマも楽しいことだろうと思います。まえがきで著者、あとがきで訳者の方がそれぞれラジオ版に関する情報を詳しく書いているので、気になる方はぜひ読んでみてください!

 

以下、収録作品を載せておきますね。

「二代目の好敵手」

「エイプリルフールの冒険」

「アマチュア乞食商会」

「時を超える殺人」

「悪魔の理髪師」

「最果ての地の殺人」

「恐怖の安楽椅子」

フランシス・ベーコンの暗号」

「首のない修道士」

「カンバーウェルの毒殺魔」

「鉄の箱事件」

「消えた『ガゼルを連れた少女』」

「悪名高きカナリア調教師」

 

全体的に派手な作品が多いです。(ラジオドラマだから?)  

といっても、吸血鬼とか宇宙人とか、実在の心理学者が出てくるような派手さではないですよ(笑)命の危機に晒される場面が何度かあったり・・・。あとは、台詞が聖典よりもエネルギッシュな印象です。まず「!」の比率が絶対聖典より高いと思います。

派手すぎて(?)犯人から手口まで途中でわかっちゃうのも、ありました。

 

私のおすすめは「アマチュア乞食商会」と「最果ての地の殺人」です。

「アマチュア乞食商会」:読んでいてわくわくしました。初期の短編のような魅力があります。特におすすめです。

最果ての地の殺人」は、ホームズが大空白時代の話を一つ、ワトスンに話す、という内容です。冒頭のやり取りから既に面白いです。最初の1頁はワトスンが怒ってるんですけど、2頁目にはケロッと収まる辺り、再現率高くて笑いました。

 

 

どの作品も、二人が活躍していて楽しかったです。聖典を読んだことのある方だと一層楽しめるような描写も随所に(大量に)散らばっています。 

時代を問わず存在するホームズ好きの人たちのおかげで新しいホームズ作品を読んだり観たりできて、嬉しいです・・・!ありがたーい。もっと本読みたいなあ。