よのなかは。

映画・本の感想。観て/読んで心打たれた作品を紹介しています。

遂に読んでしまった・・・『シャーロック・ホームズの功績』感想

著者:アドリアンコナン・ドイル/ジョン・ディスン・カー
訳者:大久保康雄
1958年、早川書房

シャーロックホームズの功績 (ハヤカワ・ミステリ 450)

ホームズのパスティーシュです。おそらく最も有名なパスティーシュでしょう。読むのがもったいなくて、ずーっと読まずにいたのですが、遂に読んでしまいました!

装丁が素敵です。カバーは水色ベースでデザインされていて、天地と小口が黄色くなっています。小口はまだしも、天地に着色って珍しいですよね。(正面からの写真だとまったく伝わらない・・・!)とりあえず、読む機会があったら本を眺め回すことをおすすめします。


中身について。
短編集です。以下の12編が収められています。

  1. 七つの時計の事件
  2. 金時計の事件
  3. 蠟人形賭博師の事件
  4. ハイゲイトの奇跡事件
  5. 色の浅黒い男爵の事件
  6. 密閉された部屋の事件
  7. ファウルクス・ラス館の事件
  8. アバス・ルビーの事件
  9. 黒衣の天使の事件
  10. 二人の女性の事件
  11. デプトフォードの恐怖の事件
  12. 赤い寡婦の事件

1~6話目までが二人の共作で、7~12話目はアドリアン氏(コナン・ドイルの息子)一人の作品。カーは、密室ものが得意な推理作家です。強力タッグですね。

イロモノから正統派まで、数多あるホームズパスティーシュの中でも、1,2を争うくらい正統派な作品集です。

「ホームズものは全部読んでしまったけれども、もっとホームズものを読みたい!」という方に特におすすめします。


そういえば、訳者(明治生まれです。感慨深い)の解説も詳しくて読み応えがあるので、本編を読んだ後にぜひ。
解説の末尾で、「『黒衣の天使の事件』で、日付に計算違いがあったので、独断で是正した」という趣旨のことが書いてあって、出来事と日付とその計算の詳しい訂正の説明が七行にわたって展開しています。(さすが・・・!)



日付の計算が狂っているところまで聖典に忠実だったんですね、ということで、めでたしめでたし!