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よのなかは。

映画・本の感想。観て/読んで心打たれた作品を紹介しています。

生きることは、運命。 フランクル『夜と霧』

著者:フランクル
訳者:池田香代子
みすず書房、2002年(新版)


「人はなぜ生きるのか?」
という問いが、
「人はなぜ生きなくてはいけないのか?」
という苦しい想いに変わっていることに気づいた時に、読んでほしい一冊です。



毎日、生きていかなきゃっていうプレッシャーに押し潰されて、世界から逃れたくて堪らなくて、何をしても、しなくても、虚しさは深まる一方で、それでも何とかやっていた、そんな時期に薦められました。

その時は文字を読むのも何をするのも苦痛で、かといって何かをしないのも辛い、という状況でした。

ので、私は今このタイミングで(春・晴れ・始まり…良い兆しを感じて)読みました。


この本は持っておいて、もし大切な人が潰れそうになってしまったら渡してあげたいです。読まなくてもいいので。


というのは、この本は、悲惨な出来事を綴っているものの、
「こんなに壮絶な、理不尽な苦しみの中で懸命に生きる人たちがいるのだから、恵まれているあなたは感謝して、頑張らなければならない」
と説いているわけではないのです。
(他人からこう言われる状況に陥るまでに、自分の環境に感謝して奮い立とう、頑張らねば、と言い聞かせて前進しようとすらくらいの試みはしている(しかも上手くいかない。)から、尚更情けなくて惨めな気持ちになる。(自分が恥知らずの出来損ないで、生きる価値がないように感じる。そんなネガティヴな自分も、情けなくて……以下略。こんな経験、ありませんか?私はあります!))


内容は、著者が冒頭で念押ししているように、あくまでも
第二次対戦中に強制収容所に容れられたユダヤ人の男性心理学者=著者による、収容所の「事実の記録」です。


この事実の記録を通して、著者は

「人はなぜ生きるか」
「人はなぜ苦しむのか」

という問いに対する、生と死の狭間で深く洞察した1人の人間がついに達した答え、在り方を、私たちに差し出しているだけなのです。




名著です。

「『読まなきゃ』と思わなくていいから」と言って薦めてくれた人に感謝!