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よのなかは。

映画・本の感想。観て/読んで心打たれた作品を紹介しています。

希望は、あった!X-MEN Apocalypse (アポカリプス) 感想と、少し考察

映画

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観ました、X-MEN アポカリプス
現在公開中です。
今作はX-MENシリーズの9作目に当たり、新三部作の中では三作目=ファイナルに当たります。
ネタバレを恐れて予告編すら観ずに挑んだ期待の最新作だったわけですが…客席の全員がひとり客という異例の状況に、どこのマニア映画だよ!と思いながらも妙に楽しく鑑賞してきました。

今作も大変興奮したのですが、残念ながら我を忘れて記憶を飛ばすところまではいかなかったので、感想をお送りします。

ネタバレが大爆発しますので、ご注意ください。
(これまでの X-MEN 8作のネタバレも含みます。くれぐれもご注意ください。)




タイトル「アポカリプス」の意味
日本語にすると「黙示」「大惨事」となります。Wikipediaによると、「黙示」には、善と悪の対立、現代は悪の支配する時代であるという認識、終末による悪の時代の終焉、死者の復活、などが含まれます。
「大惨事」は「黙示」で示されたものに付随して起こるとして、黙示の方は、今作の敵「エンサバヌール」が鍵です。




「最後の敵は、神」 神=エンサバヌールについて
確かに神だったわ、というのが率直な感想です。
彼は、

・「破壊して再構築する」能力を持つミュータント
・見た(触れた?)能力は理解して止めることができる
・人間が堕落したと判断した時点で文明を破壊し、再構築するのが趣味生きがい
人智をこえた長命(序盤の紀元前3600年のエジプトシーンですでに他のミュータントの肉体を乗っ取る儀式(魂の転移)を何度も繰り返している模様)
・魂の転移を終えると、転移先のミュータントの能力を得る


そして今作では、

・1983年(=今作)信者の儀式中、5000年を超える眠りから覚醒
・覚醒後、1983年の人々を見て、「堕落した」と判断
・四騎士(=4人のミュータント)を集めて文明を破壊しようと目論む
・仲間に引き入れたマグニートーらと共に破壊活動に勤しむ
・途中でチャールズの能力に目をつけ、彼を誘拐して魂の転移を行う
・途中で妨害され失敗
・フェニックスを解放したジーンらに滅ぼされる


なぜエンサバヌールはこのタイミング(1980's)で目覚めたのか


ハリウッド映画の常識ご都合主義が発動し、モイラが調査中にうっかりエンサバヌール復活の儀式を完成させたからです。何はともあれ、今回は自分たちで最強の敵を目覚めさせ、そこからアポカリプス(黙示)の悪夢がスタートします。




なぜエンサバヌールはアポカリプスするのか?

「堕落して」自分以外の神を崇拝する現代人の姿を目の当たりにして、裏切られたと感じているから。
(そこに紀元前3600年に人間に反逆され5000年眠る羽目になった怒りもプラスされている。)


しかし、いかんせん人望がない。チャールズみたいな友達がいたら彼もこんな風にはならなかったかもしれません。逆にエリックはチャールズがいなければ、エンサバヌール二代目になっていたかもしれませんね。悲しみを憎しみに変えるのが特技だし。





メインキャラクター3人について

⑴チャールズ/プロフェッサーX
・相変わらずのヒロイン具合だった
・元気そうで良かった
・ハゲた

主役なのに…敵に誘拐されて、妹(レイヴン)と元カノ(モイラ)たちが助けにくるんですよ?最後は教え子(ジーン/フェニックス)たちが敵にとどめを刺すし…ヒロインか!
チャールズって戦って勝ったことないよね?今回も「良い作戦があるんだ!」とか言って一人でエンサバヌールに挑んでボコボコにされて…ジーンたちが間に合わなかったら死んでました。

しかし彼が瀕死になると大抵マグニートーが敵にキレて味方になってくれるので、良いこともありますね。


チャールズは、何と言っても指導者であり精神的支柱という役割が強いです。デイパスでの未来(おじいさん時代)みたいに、前線に立たずに皆の精神を導くことに専念したら安心するのになあ。今作では学園の生徒達に生き生きと指導している姿が印象的でした。デイパス冒頭のアル中ヤク中はもういないです。チャールズは、目標と仕事があると元気に輝きますね。


あとはそう、ハゲましたね。良かったです。

強すぎる能力の副作用か?体が蝕まれ始めたのか?と心配していたので。
エンサバヌールの転移途中に何となくハゲただけで、害はなさそうです。とにかく、

ただのハゲだと確認できて良かったです。



⑵エリック彼に関しては、デジャビュの嵐でした。
今作での彼に関してざっくりまとめると、こうです。


人間→家族に関する悲しい出来事→絶望→怒り→憎しみ→人間やめる→マグニートーへ→破壊→レイヴンたちによる説得→揺れる→チャールズ瀕死!→人間に戻る

いかがですか?これ、前々作(ファーストジェネレーション)の間違いだろうって?
残念ながら違います。今作でもエリックの様式美が炸裂する結果となりました。

スターウォーズでアナキンがこれやると6作かかるのに、エリックは毎度1作でやるんですよね。うーん、スピード社会。


今回はエンサバヌールがあまりにも強すぎて、エリックの強さはさほど目立ちませんでした。もちろん相当強いですが。そういえば、今作も大活躍のピーターがあんなに強い能力を持って生まれたのは、エリックの息子だからか!と勝手に納得しているのですが、同じ意見の方はいらっしゃいますか?さらに言うと、今作冒頭で登場するエリックの娘も、動物を操るミュータントのようだったので、命あるものを操る能力ということで、こちらも強力です。エリックの娘だからかなあとこちらも想像して映画館で百面相していました。同じ列に誰もいないのをいいことに。



何はともあれ、X-MEN名物「エリック怒りの様式美」、次作もご期待ください。




(3)レイヴン
・相変わらずのヒーロー具合だった
・大人になった

今回も本当に強かったです。あとは、ジーンたち若い世代が出てきたこともあってか、大人になったなあと。昔みたいに一人で突っ走らないし、チャールズやエリックに対してもあまり感情的にならないし。後輩にアドバイスする姿なんか見てると、これが旧三部作のジーンたちにつながるのかと思えて感慨深いです。




チャールズとエリックの関係

新三部作ではいつも二人が

戦う→「歩む道が違うね。友よまた会おう」=平行線→束の間の平和→エリック爆発→始めに戻る

これをワンセットこなすのがお約束ですが、今回は一味違います。

デイパスの未来が垣間見える希望に満ちたラスト。
一緒に同じ方見て戦って終われたのが次(制作するのか不明ですけど)につながりますね!
新三部作でこんな不穏でない(ウルヴァリン新作へのフラグはノーカン)ラスト迎えるの今作だけですよ!


チャールズとエリックは相変わらず平行線だけど、並行して走る二本の線が今までになく近いのが今作の魅力です。シリーズ通してのファンにはたまらないですね、本当に。





ストーリー?矛盾?ありますけど!

・敵が強すぎるあまり、戦いが現実離れしすぎてしまった
・登場人物が多すぎて各人(特に重要なメイン3人)の内面を掘り下げられていない

あたりが今作のストーリー上の弱みでしょうか。(これは映像的には強みになっているので私は楽しめました!)


そして、X-MENあるある!作品が増えるごとに雪だるま式に増える矛盾!
これは「未来」が先に映像化され、その「過去」を後から作っているから仕方がないです。シリーズ前8作に矛盾しないストーリー展開をしようとしても不可能なのはシリーズファンなら知ってます。それまでの作品をぶっ壊していった「ファイナル・ディシジョン」が未来に待っているんだから、それはもう大変でしょう。

でも、せっかく映画に入り込んでいるのに我に返ってしまうレベルの突っ込みどころは勘弁してほしいです(笑)




映画館で「我に返った」事案集
・エンサバヌールが青い亀に見える。デイパス最後の美形エンサバヌールは何だったの?最初の肉体の時の姿?変わり果てすぎだよ!

・エンサバヌールは一人で文明破壊できるんだから、四騎士なんてスカウトしてないで自分で破壊したら2日で文明壊して半日で再構築できるんじゃない?何でやらないの?寂しいから?エリックの仕事がなくなるから?尺が余るから?

・「ああ、レイヴンが死ぬ!」→「あ、でも旧三部作(=未来)に出てくるってことは大丈夫だわ」
旧三部作に出てくる人たち=絶対に生き残ると気づいてしまってからは、スリルが半減しました…

・敵キャラの戦闘スーツがいつも以上にダサく、ストーリーが入ってこない!




みんな出てた!
これは、本当に。

エンジェルに、モイラ(モイラやレイヴンと再会して嬉しそうなチャールズの笑顔に得体の知れない希望を感じました)、今回はさすがに出番なしと思っていたローガンまで!
そして、懐かしいメンバーが若返って登場。
登場人物出しすぎたせいで各人を掘れてないのは問題ありかもしれませんが、
あれだけの数のメンバーが生きて同じ時空にいるのが本当に…ハリーポッターかよ本当に嬉しいです!観て良かった!


「嘘!あの人出た!」って感動しっぱなしでした。予告編を見ずに挑んで良かったです。




ピーターは希望。やはりヒーローだった
ピーターは前作から続投、しかも登場尺がかなり伸びていました。

そして今回も、「止まった」世界の中を駆けて、多くの人を救います。

ピーターが本気で能力を使っている瞬間=数え切れないほどの人を救っている瞬間、彼はひとりぼっちで走っています、いつも。他人と共有できない世界にいっちゃう能力だから仕方ないけど…。で、その時が終わったら何食わぬ顔して救った人たちの驚いた顔見て一人笑っていると。


掘れ直しました。


ピーターの能力発動シーンのためだけにでも劇場に行く価値はあります。映像が画期的かつ美しいので、ぜひ3Dで。
発動中にかかった曲は

Eurythmics の "Sweet Dreams (Are Made of This)"

個人的には前作の曲の方がしっくりき(すぎ)ましたが、今回のも素敵です。
中盤の'Hold your head up / Keep your head up, movin' on'の繰り返しがすごく前向きで…ボロボロだったデイパス冒頭からのチャールズと学園の復活を思うと、泣けてきますね。学園が崩壊している瞬間にこれがかかっているのは、なんというか…



そして今作では遂にピーター=エリックの息子だと明言され、例のごとく暴走するエリックを説得するレイヴンに、ピーターが同伴します。自分が息子であることこそ明かしませんが、「お前は何をしに来た」と問われ、「家族を救いに来た」と答えた言葉に、エリックも少しだけ荒れ狂う心を制御し始めます…




チャールズとエリックはいい加減にしろ

最後に今回ツボだったシーンをご紹介します。
レイヴンと話しているチャールズがうんざりしたように「エリックと話しているみたいだ。そっくりだ。」と言うシーン。

家族を捨てて出て行った元夫に似てきた我が子にうんざりしてつい言っちゃった、みたいな台詞で、脱力しました。毎回毎回地球破壊レベルの喧嘩しちゃあ仲直り……何作同じことすれば気が済むの?いい加減にしろ!でも…




…何作でも観に行くよ!